よくいただく診療のご相談は以下の通りです。
肩こり
【1】 筋肉への酸素不足を招く原因は多種多様です。
長い時間同じ姿勢を続けていると筋肉が緊張したままで血液の循環が悪くなります。
パソコンなどのデスクワークが多い方は特にご注意ください。
寝ころんでTVを見たり新聞を床に置いたまま読んだり猫背でいるのも肩の筋肉を緊張させて「肩こりの原因」になります。
首の頚椎にヘルニアなど異常が生じた結果、神経を圧迫して痛みやしびれをおこすことがあります。
狭心症や心筋梗塞、高血圧や糖尿病など内臓系の病気がある場合、循環が悪化して肩こりをおこすことがあります。
この場合、原因疾患の治療が第一です。
メガネやコンタクトレンズが合っていなかったりパソコンなどを長い時間見続けると目が疲労します。
その結果、交感神経が興奮状態となり血管が収縮して血流が悪くなり肩こりの原因になります。
顎関節症や噛み合わせの不全や歯周病などが原因で肩こりが生じることがあります。
歯ぎしりなども肩こりの原因となります。歯ぎしりは、ストレスから来ているとも言われています。
ストレスやうつ病など精神的に緊張したり悩んだりすると交感神経が優位になり、筋肉内の血管が収縮します。
その為、筋肉を使っていないのに血行が悪くなり筋肉に老廃物がたまってしまう結果、肩こりが生じることになります。
【2】 急性の筋肉の外傷による肩こり
急な筋肉の運動や打撲によって筋肉が損傷を受けると炎症反応により局所的に循環不全がおきます。その結果、筋肉のこわばりがおこり、肩こりとして自覚します。殆どは自然に回復しますが、循環不全が慢性化する場合もあります。
炎症がある場合は冷湿布を使用しましょう。慢性的な肩こりには温湿布が有効です。
急性の肩から背部にかけての痛みは、循環器(心臓)の疾患や呼吸器の疾患が疑われますので注意しましょう。痛みが続く場合は病院での精査が必要です。接骨院・整骨院もしくは整形外科医などの専門医に診てもらいましょう。
四十肩
一般に中高年に好発し四十肩・五十肩と呼んだりもしますが、一つの病態を指すのではありません。
年齢による退行変性を基盤とした肩関節を構成する一部の組織に限局されず、軟部組織に広く及ぶ幾つかの病態を総称する症候名で肩関節周囲炎とも呼ばれます。完治するまで多くの時間を要しますが予後は良好です。
四十肩の治療
肩関節の可動域が少なくなっている分、胸や背中の筋肉の負担が大きくなっています。筋肉の疲れが出やすくなっていますからマッサージなどで取り除いていきます。鍼は急性期にも慢性期にも効果的です。慢性期に入れば灸や運動療法を取り入れるとより効果的です。
急性期には鎮痛と消炎が主眼となってきますので湿布やテーピング等を施します。その後、急性期をすぎると拘縮の進行を防ぐために遠赤外線やマイクロ波などを用いて血液循環の改善を図ります。また、可動域を増やすために運動療法も行います。肩だけに限らず背部や胸にも筋緊張が表れますので、そちらの緊張も取り除く必要があります。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)は、肩関節周辺の筋・腱・じん帯・関節包などの組織が炎症・拘縮を起こすためにおこります。大半は、時間の経過とともに痛みがとれてきますが、治療は早い時期に開始した方が治りも早いです。
四十肩・五十肩は、急性期と慢性期に区別して治療を行いますが、いずれにせよ何気ない動きがきっかけとなって激痛に襲われたら、なるべく早く診察をうけ、適切な処置を施すことが重要です。